Works in Progress: アントロポゾフィー解剖学(5)2006年02月07日 12:29

図3.5
3.1.4. 頭蓋骨の結合:骨癒着と縫合

骨格のさまざまな部位における結合方式は体内の部位によって大いに異なる。骨格の最も密接な結合は頭蓋、特に脳頭蓋において見いだされる。成人において前頭骨はひとつの部分から成っているが、もともとはふたつの前頭骨があったのである。前頭骨どうしの間にあったもともとの縫合(図3.5)は完全に消失している。このゆえにこうした骨結合は「骨癒着」と呼ばれる。頭頂骨どうしを結合しているのは冠状「縫合」である。縫合という解剖学的構造のため頭蓋の骨は互いにほとんど動かなくなっている。ここに現れている形態学的関連の特徴は「集約と不動性」に向かう傾向であるといえよう。

頭蓋の骨どうしの自由な動きを可能にする関節は脳頭蓋には存在しない。なるほど頭部にも顎関節や耳小骨連鎖といった関節や結合部位は存在しているが、これらは鰓弓由来であって、厳密な意味では頭蓋の発達の一部と見なすことはできない。

図3.5. 新生児と成人の頭蓋(Woerdemanによる)

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_ CHORALIS - 2006年02月08日 12:32

3.1.5. 外骨格

頭部において、脳と大血管および脳神経の起点は脳頭蓋内にある。骨は皮膚の直下にあってすぐに観察することができる。ゆえに頭部—とりわけ脳頭蓋—は基本的に「外

_ CHORALIS - 2006年05月30日 06:19

3.1.4. 章 頭蓋骨の結合:骨癒着と縫合

骨格のさまざまな部位における結合方式は体内の部位によって大いに異なります。骨格の最も密接な結合は頭蓋、特に脳頭蓋において見いださ