Works in Progress: アントロポゾフィー解剖学(11)2006年02月13日 06:41

3.2.4. 長骨の骨化

長骨の骨化はふたつの骨化の中心から起こる。骨の近位および遠位部に存在する骨端の骨化中心と、骨幹の骨膜からの骨化である。骨端の中心と骨幹の間には輪状の軟骨の円盤(骨端軟骨)が存在し、長期にわたって軟骨を作り続ける。

軟骨内骨化によって生じる骨小棘は互いに「平行」であっって、骨の長軸方向に並んでいる。骨の厚みは辺縁部において形成されることにより増していくが、軸の中心では吸収されて骨髄腔が形成される。このような骨格の形成は生体に対する重力の影響と直接関連している。長骨の形態と石灰化の程度は、多くの場合、重力の影響によって決まる。このことは重力の影響と骨小棘の構造に関する研究から疑いなく明らかである。骨小棘は骨格に作用する重力線に従って作られる(図3.9)。無重力状態ではとりわけ体幹および四肢の骨格が重力不足の影響による脱灰の危機にさらされる。

頭部の骨格における軟骨内骨化は頭蓋のうち鰓弓および軸傍の硬節から発達する部分で起こる(図3.3)。骨格のこの部分における骨小棘の構造は四肢の構造と同じ特徴を示す(図3.10)。この部においては咀嚼筋が骨格に及ぼ力も見いだされる。こうした力がもはや骨格に影響を及ぼさなくなるとその部位では大部分の骨組織が速やかに失われる。これは特に歯を失った後で見られるが、歯は正常な場合にこうした機械的な力を骨格に伝達しているのである(図3.11)。