Works in Progress: アントロポゾフィー解剖学(21)2006年02月22日 16:25

3.3.5. 胸郭の形態学的特徴

胸郭の形態における特徴は肋骨と脊柱の形に見られる「律動的配置」と「変形」である(第4章)。変形は肋骨や椎骨といった形態学的要素が一方で反復されながら、同時にその反復の中に変化が見えてくる現象である。

反復の中に見られる変化を形態学的にさらに明確にすることができる。頭側方向では頭蓋の(第3.1.6.章)、そして尾側方向では四肢の特徴的な形へと向かう傾向が認められる。

律動的な様相は肋骨と脊柱に影響しているだけではなく、胸郭内の臓器にも影響を及ぼしている。気管、交感神経幹、肋間筋、肋間動脈と神経、皮節および脊柱の分節的構造—すべては同じリズムと変形の原理を示している:すなわち「反復と変化」である。

律動的に構築されていない胸郭の気管、たとえば心臓、肺および横隔膜は機能的なレベルにおいて律動的な要素を示している。心臓では収縮期と拡張期、肺では吸気と呼気、横隔膜では収縮と弛緩といったように。

→胸郭は律動的現象の中心である:空間においてはその形態、時間においてはその機能を通して。
胸郭では、頭蓋と四肢の形態学的傾向が合成され、片側性とは無縁な空間が生み出されている。個体の頭側および尾側において特異的な形態へと向かう傾向が相互に調和して、人間が「ほっと息をつける」形態学的中心が創造されているのである。