Works in Progress: アントロポゾフィー解剖学(6)2006年02月08日 11:35

3.1.5. 外骨格

頭部において、脳と大血管および脳神経の起点は脳頭蓋内にある。骨は皮膚の直下にあってすぐに観察することができる。ゆえに頭部—とりわけ脳頭蓋—は基本的に「外骨格」なのである。

眼球は頭蓋の外にあるため、この原則の例外であるように見える。とはいえ眼球は眼窩の中に位置している。

それに眼球は聴覚器官や平衡器官あるいは嗅覚器官といった不動の感覚器官ではない。眼筋の存在により、眼球には四肢に匹敵する動きという要素が加わっている。眼球は手足と同じように動くことができるのである。この意味において眼球は四肢とも密接に関係しているのであるが、四肢は内骨格を有するがゆえに別の形態学的法則に従っているのである。眼窩は頭蓋と四肢というふたつのシステムの特徴をともに示している。眼窩は眼球の一部を骨で囲んでいるが、これは脳頭蓋の特徴である。と同時に、眼窩は頭蓋腔には属していない。眼窩はまた眼筋の付着点を形作っており、これは下肢の筋肉に対する骨盤のはたらきと同様で、内骨格の機能を立派に果たしている。

頭蓋底においては内骨格として機能するふたつの構造が見いだされる。すなわち茎状突起と翼状突起である。

しかしながらこのどちらもいかにも頭蓋底から生じた構造であって、頭蓋底というのは結合織内および軟骨内骨化に関する章(3.1.2章)で見てきたように、もともと四肢と密接な関係を示す部位なのである。茎状突起および翼状突起は咀嚼と嚥下を行う筋肉および鼻咽頭の筋肉の付着点として機能している。このことからも明らかなように、身体の一部分—この場合には頭部—の中でも分極化の原理は常に変わらず詳細に探っていくことができるのである(第9章)。