Works in Progress: アントロポゾフィー解剖学(13)2006年02月16日 05:19

3.2.6 長骨の開散的な配置

四肢の形態における目立った現象のひとつに「開散」の原理がある。四肢の骨格の各部を近位から遠位までたどると、骨の数が増えていくのがわかる。

上腕/大腿 1
前腕/下腿 2
手根骨:近位 3
足根骨:近位 3
手根骨:遠位 4
足根骨:遠位 4
中手骨/足根骨:5
指/趾骨:手/足ごとに14

この「開散」へ向かう傾向は骨格を構成するパーツの数だけでなくパーツそのものの形態にも見いだされる。それはたとえば大腿骨あるいは上腕骨の背側において認められる。大腿骨では粗線において(図3.1.2.)、上腕骨では肘頭窩を囲む内側および外側縁の拡大と分岐において。大腿骨および上腕骨のふたつの顆はこれらの開散する線から発達している。

この開散傾向は下腿および前腕の形にも連続しており、これらはともにふたつの骨から成っている。脛骨と腓骨、そして尺骨と橈骨である。これらの骨格部品もふたつながら開散する形を示しており、下腿においてはふたつの果を、そして前腕では茎状突起を形成している。

図3.1.2. 大腿の構造における開散(Benninghof による)

Works in Progress: アントロポゾフィー解剖学(14)2006年02月16日 14:55

3.2.7. 内骨格

四肢の骨は一般に筋肉、腱および靱帯によって完全に包囲されていて、これは脳頭蓋の骨とは対照的である。骨格を囲む構造には大きな血管や神経も含まれている(3.1.4. 章)。脳頭蓋では骨は外側にあって明らかに認められる。その構造ゆえに、四肢の骨は大部分が隠されていて見ることができない。

このゆえに、四肢の形態は局所解剖学上、頭蓋、特に脳頭蓋とは正反対の構造を有しているのである。