アントロポゾフィー胎生学(36)2011年03月04日 06:18

4.1.3 代謝

生物が分化し、成長し始めるとき、代謝的状態は必然的に変化します。
活発な代謝プロセスが必要です。
栄養(血液)と分泌(分泌物)は、代謝亢進の重要な徴候です。
合胞体層において、小胞が融合して裂孔を形成します。
合胞体層の細胞は、母体の血管に浸食を来たします。
裂孔の細胞は、およそ第11日から母体の血液と接触します。
血液循環は、胚盤胞が必要としている亢進した代謝に属する現象とみなすことができます。
栄養膜細胞によるHCGの産生は、黄体の変性を防ぎます。
これは胚が形態学的なレベルのみならず、生理的レベルにおいても活動的であることを意味します。
HCGの産生は胚盤胞が生理的に母体と相互作用することを可能にする分泌プロセスであり、それによってその「生物学的環境」を途方もなく増大します。
このプロセスには、栄養膜の周辺における膨張が形態学的に対応しています。
両方のプロセスは、浸潤性の傾向を示しています。
自らの境界を形態学的に、また生理的に見限って、胚はより広い周囲と接触するのです。

アントロポゾフィー胎生学(37)2011年03月04日 11:33

4.1.4 二層状胚盤

第2週における胚結節の分化により、原始胚体の次の発育段階である二層状の胎盤が形成されます。
羊膜と原始卵黄嚢は丸い形をしているため、これらとの接触面である二層状胎盤は円形となります。
これは、胚盤が放射相称であることを意味します。
12日齢の胚盤胞を観察すると、この放射相称を全体の「体型」においても見いだすことができます。
胚盤の、また胚盤胞の全体として唯一の形態学的な分化は、新しい分極化が生じることです。
前者は分極化して胚盤葉上層と胚盤葉下層になります。
後者は、胚子極(胚盤がある部位)と胚子の反対側の極とに分極化します(図4.1B)。

アントロポゾフィー胎生学(38)2011年03月04日 16:39

4.2.概要と結論

4.2.1 形態学

ここでは再び形態学的な現象を最初に要約し、特徴づけます。
成長、細胞分化および血液に依存した代謝の亢進は、生命活動の現象ととらえられます。
発生のこの相における胚盤胞は、自己調節可能な生物です。
これは、すべての典型的な生物学的プロセスの特性です。
着床の瞬間から「体内時計」は、胚盤胞の生命プロセスを制御します。
これは、胚盤胞がそれ自身の生命組織を有していることを示しています。
より周辺を目指すすがたは、無限であろうとする傾向をよく表しています。
この傾向は、発生の第1週で見られたものと正反対です。
従って我々は、第1週における発達上の衝動と第2週のそれとは形態力学的にまったく異なっていると結論します。
従って第1週の形態力学は、2週めのそれとは連続していません。