アントロポゾフィー胎生学(53)2011年03月19日 15:30

5.2.2 ゲーテ的側面

植物と動物の間における最も重要な差異は、内的な体腔の形成、内部臓器の分化、そして自由に移動する能力です。
「gastrula」という語は小さな胃という意味です。
従って、原腸形成(gastrulation)という語には大いに意味があります。
体腔をつくる相と内部臓器を形成する相が、基底にある同じ動的なプロセスに由来していることは明らかです。
動物の世界において、原腸形成は発生の普遍的な相です。
図5.4は、さまざまな動物と人間におけるこの相を示しています。
めいめいに独自の発達の速度と形態がありますが、共通点がふたつあります。
すなわち原腸形成と体内における器官系の分化です。
消化器系(胃)を発達させた動物は外部の物質を消化し、「内部器官」を作り上げ、代謝産物を排出することによって、環境を変えていきます。
つまり、「内」界が発達して、「外」界と相互作用するのです。
消化は、「内」界と「外」界の関係を樹立する原型的な現象とみなすことができます。

アントロポゾフィー胎生学(54)2011年03月19日 15:37

図5.4
図5.4 原型的な現象としての原腸胚の形成および展開のはじまり(Poppelbaum 1933から)