Works in Progress 更新2005年10月18日 05:22

「33年間の夏休み」寮の便所掃除について少し書く
このテーマならいくらでも長く書けそうなのがちょっと怖い

前回更新が9/11だから5週間ぶりに約2枚というペース
これじゃ目標の80枚まであと125週間、2年以上かかってしまうではないか…

羊土社から「正常画像と並べてわかる頭部CT」をウェブコンテンツ化したいという申し出があり、これは良い知らせ
韓国語版の原稿料と合わせて多少はお金ももらえそうだし
一方で研修医向けの講義内容について研修医自身から直接メールで要望を知らせて欲しいと連絡したのだが、これはなしのつぶてである

Works in Progress: 星間戦争2005年10月18日 16:13

第2章 破壊された家で我々が目にしたもの

私たちは食料を食べ終えるとまた食器洗い室へこっそり這い戻ったが、私はそこで再びうたた寝してしまったらしい。ふと気づいてあたりをを見回すと副牧師の姿がなかった。どすんどすんという震動と騒音はしつこく続いていた。私は何度かささやき声で呼んで見たあと、手探りで調理室のドアへと向かった。そこからはまだ昼の陽光が差し込んでいて、部屋の向こうにがわ、火星人たちを見下ろす三角形の穴のところに彼が腹ばいになっているのが認められた。肩をそびやかしているので頭は隠れて見えない。

機関車格納庫で聞かれるような様々な物音がしていて、脈打つようなどさっという音がするたびに部屋が揺れていた。壁の隙間からは一本の木の梢が、金色と暖かみのある青色を湛えた平穏な晩方の空を背にしているのが見えた。私はものの1分間もじっと副牧師を眺めていたが、やがて床中に散乱する壊れた瀬戸物のかけらを縫うようにして身をかがめながら一歩ずつ進んでいった。

私に足を触られた彼があまりにひどく身じろいだので、壁の向こうでしっくいの塊が滑り落ち、大きな音を立てた。彼が叫びだしはしないかと思った私はその腕をつかみ、それから長い間私たちは身動きせずにしゃがみ込んでいた。それからようやく私は振り向いて、頼みの綱の防壁がどれほど残っているのかを確かめた。しっくいが剥がれたあとには縦長の裂け目が瓦礫に生じていて、梁につかまって注意深く体を持ち上げると、前の晩までは静かな郊外の車道だったあたりをこの隙間から眺めることができた。そこで私たちが目の当たりにした変化は甚大なものだった。
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下巻第2章1〜3節/全27節中

恒信風13号が届く2005年10月18日 16:42

4年ぶりに発行された「恒信風」第13号が宅急便で届いた

北野勇作長嶋有特集号なのだが、今回私の原稿はおふたりの句評のみというさびしいものになってしまった

この句評は忘れもしない Anima Solaris の32号に「パンケ」という奇妙な短編を載せたころに書いたものなので、2003年1月以前に書いたことになる

本来この号に載るはずだった自選20句も「同人の句を訳す」という原稿もその前に送ってはいたのだが、今回は仕切り直しということで再送するはずが間に合わなかったのだった。残念。

まあいいや、これを機にまた句作を再開しようかな…