仕事の大波2005年10月01日 16:58

昨日は久しぶりに ASAHIネットに赴き、MedicalPlaza の今後につき相談

日中4時間ほど出かけただけなのに、戻ってきたら読影の仕事が130件を越えていた^^;)
ようやく残り56件というところまでたどり着いたがタイムアウト

明日は賢治の学校のオープンスクールだし
AnimaSolaris の原稿も仕上げなくちゃだし、もう大変…

Works in Progress: 星間戦争(6)2005年10月02日 04:33

庭土の塊が窓を押し破り、我々が座っていたテーブルの上からあふれて足下に積もっていた。外では家の壁沿いに高いところまで土が盛り上がっているようで、根こぎになった排水管が窓枠のてっぺんあたりに見えた。床には粉々になった食器が散らばっていた。母屋につながるキッチンの端が壊れてそこから陽光が入り込んでいることから察するに、この家の残りの部分はほとんど崩壊しているようだった。残骸の中で異彩を放っていたのは流行の薄緑色に塗装されたこぎれいな食器戸棚で、銅や錫製の容器がその下にいくつか転がっていて、青と白とのタイルを模した壁紙やら色刷りの新聞付録が調理用レンジの上の壁でひらひらとはためいていた。

夜が明けるにつれて壁の隙間越しに火星人の姿がはっきりと見えてきたが、その向こうにはまだ光を発している円筒が見えていて、見張りに立っているものと思われた。これを見た我々はできるかぎりこっそりとキッチンの薄暗がりから暗い食器洗い室へと這い出した。

ふいに状況が飲み込めた。

「5番目の円筒だよ」私は囁いた。「火星からの第5弾がこの家にぶつかって私たちを廃墟の下に埋めてしまったんだ!」

副牧師はしばらく黙っていたが、やがて囁いた。

「神よ、哀れみたまえ!」

やがてすすり泣きが聞こえてきた。

その音を除けば私たちは食器洗い室の中で極めて静かに横たわっていた。私は息をひそめてキッチンのドアから漏れているかすかな光を見つめていた。副牧師の顔はぼんやりとした丸い形として見えるばかりで、あとは襟と袖が見分けられるのみだった。外では金属的な槌音が響きはじめ、サイレンのような大きな音がしたかと思うとしばらく静かになり、やがてまたエンジンが立てるようなしゅうしゅうという音が聞こえてきた。大部分が耳障りなこうした騒音は途切れながらも続き、次第にその数が増えていくようだった。突然、規則的なずしんずしんという音と震動が始まった。我々のまわりでは何もかもが震えだし、食器室にある容器がちりちりと音を立てながら動きだしたかと思うといつまでもそれが続いた。いったん日がかげるとキッチンの戸口は真っ暗になってしまった。それから何時間も黙って震えながら我々はそこにしゃがみ込んでいたに違いない。だがついに疲れて気を失い…

ようやく目を覚ました私は強烈な空腹感に襲われた。半日以上眠っていたに違いない。飢えに耐えかねて私は行動を起こした。食物を探しに行くと副牧師に告げ、手探りで食器室に向かったのだ。返事はなかったが、私が食べ始めるとその音を聞きつけて起きあがり、私の後を追って這ってくるのが聞こえた。
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下巻第1章の終わりまで

地下室でのサバイバルという状況は映画「宇宙戦争」でも生かされていたような…

身近で間遠な死2005年10月03日 19:50

友人の父君が亡くなった
末期の肺癌と診断されてから4ヶ月くらいだったろうか
CTやMRIのフィルムを拝見し、何度か診察もさせていただいたのだが、訃報を聞いてもまだぴんと来ない

先頃亡くなった義父の場合もそうだったが、なんだか普段会うことのない生者と死んでしまって二度と会えない死者との境界が自分の中ではなはだ曖昧なことに気づく

亡くなったことはもちろん理解しているのだが、亡くなった人々もおそらく今後死ぬまで再会することもなさそうな人々も、私にとっては等しく無縁の人なのである

仮にうんと身近な人が急死したとしても、さほど喪失感を味わうことがないのではないか…そんな気さえしてちょっと恐ろしくなる

こんなふうに感じるようになったのは、たぶん自らの死を恐れることがなくなってしまったからだと思うのだが