Works in Progress: 星間戦争(10)2006年01月03日 07:37

火星人の解剖
連中が食糧として火星から持ち込んだ生物の食べ残しを見れば、火星人たちがどうして人間を栄養源として好むのかが、ある程度説明できそうだった。我々が入手したしなびた抜け殻から見るに、この生き物はまるでスポンジのような珪質の骨格を持った2足動物で、筋肉に乏しく、体長は6フィートほどで、直立した丸い頭部にある堅固な眼窩には大きな眼球がはまっていた。円筒にはそれぞれ2~3匹が積み込まれていたようだが、地球に着く前にみんな殺されていた。これらの生物がたとえ生かされていたところで、地球上で直立しようとしただけでも全身の骨が折れて死んでいただろうから、どのみち同じことではあったが。

火星人のようすを記述するついでに、細かいことだがいくつか付け加えておこう。これらは当時の我々には知られていなかったことだが、連中の姿を見たことのない読者が火星人という攻撃的な生き物を理解する助けにはなるであろう。

火星人たちの生理は3つの点で人間とは奇妙に異なっていた。連中は眠らないのだ、我々の心臓が眠らないのと同様に。回復が必要となる大規模な筋肉機構を持たぬがゆえに、彼らは睡眠という、いわば周期的な消灯とは無縁であった。彼らはほとんど疲れを知らないかのようであった。地球上では多大な労力を費やさずに動くことはできなかったはずなのに、彼らは最後の最後まで活動し続けた。24時間休まずに、まるで地上におけるアリのように働き続けたのだ。
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(下巻第2章第15~17節:画像は http://www.subgenius.com/bigfist/eyes/gallery13/gallery13.html 以下より拝借)

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