33年間の夏休み(22)2007年07月06日 22:19

入学式の前の晩に寮で行われた入寮式のときのことだ。きみたち一年生は畳敷きの集会室の前の方にびっちりと正座させられた。畳一枚隔てて相対しているのは教師たちだ。美術の教師とは聞いていたが、それが冗談としか思えないほどいかつい寮長のタガラシ先生が真ん中にでんと居座り、その横にずらりと「寮担」すなわち寮担当の教師たちが並んですごみを利かせている。きみたちの後ろに詰めかけているのは中2から高3までの上級生たちだ。当時の日本でさえ、いや多分世界でもそこだけでしかお目にかかれなかったであろう異様な光景。