治療を拒否する2005年12月08日 04:21

私は瀕死の病人だ

マンガ雑誌を手にとって眺めているのだが、ファンタジーの特集号らしきその内容は陳腐きわまりなく退屈だ
前ではなにやらアニメを上映している
小学校の同級生たちがなぜか裸でひしめいている
ス○キとシ○ヤが「おホモだち」だとかなんとか、他愛もないことを口々に叫んでいて、私のそばにいたス○キが憤慨している
私は「いいじゃないか話題になってさ。20年もして同窓会になったときにあの修学旅行(どうやら修学旅行中らしい)でどんなことがあったっけ、てな話が出たときに、そういえばス○キとシ○ヤが…てなふうにさ」と発言する
つまらないから病室に戻る、そう言い置いて廊下に出ると私は老人の姿でベッドに横たわっている
右手の甲に刺した点滴の針のまわりは一面に内出血していて痛々しい
点滴ラインの途中、三方活栓に透明な薬液の入った10mlのプラスチックシリンジ(注射筒)がつないであったのを私は外し、薬液を捨ててしまう

もう治療はたくさんだ

看護婦たちが汚れたベッドを清掃している間、ベッドのわきにたっているとめまいがする
再び横になると外科医がやってきて鎖骨下静脈にカテーテルを入れようとする
外科医が私の腋窩動脈にふれると心臓が激しく脈打ちだし、しばらく血管のイメージで頭がいっぱいになる
「少しの刺激でもこうなるんだ。いつ心臓が止まってもおかしくない」などと外科医が看護婦に説明している
外科医は慣れた手で鎖骨下静脈を穿刺し、どす黒い静脈血が流れ出る…
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そういえば卒業してから30年以上たった今も小学校の同窓会というのは一度も開かれていない