アントロポゾフィー胎生学(2)2011年01月26日 10:30

著者について

Guus van der Bie 医学博士

(1945年生まれ)1967年から1976年まで解剖学および発生学の講師としてオランダのユトレヒト州立大学医学部に勤務。
1976年からは家庭医として働きながら、彼は健康なあるいは病気の人間を理解する上でのゲーテ的な科学の重要性を認識してきました。
彼は診療に次ぐ仕事として学生、医師そして療法士たちの教育に携わり続けています。
1998年には現在の生命医科学による人間への科学的なアプローチを補完するための「医学教育刷新」プロジェクトの創始者のひとりとなりました。

アントロポゾフィー胎生学2011年01月25日 15:02

Embryology 表紙
BOLK 医学学習の手引き

現象学的見地からみた初期発生

Guus van der Bie 医学博士

胎生学

わたしたちは人間には人間にしかない独特な特徴があると感じていますが、その感じには科学的な根拠があるのでしょうか?
それとも人間の精神と身体は動物の生命のひとつのバリエーションに過ぎないのでしょうか?
わたしたちはこうした問いに対して、頭も心も納得できるような答えを見いだせるでしょうか?
これらの問いに答えられるかどうかは、どのような科学的方法を用いるかにかかっています。
本書ではふたつの方法が用いられています。
解剖学的事実を学ぶための現行の科学的方法と、これらの事実の意味を理解するための現象学的方法です。
胎生学的な初期発生からは、人間のユニークで特徴的な性質を学ぶことができるでしょう。
ここからたとえば意識、心理、行動と身体の形状との関係を理解する可能性が開けてくるでしょう。
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解剖学に引き続き、BOLK'S COMPANIONS FOR THE STUDY OF MEDICINE(興味のあるひとは検索してね)の胎生学を訳すことにした。今年いっぱいぐらいで訳せるといいのだが…

Works in Progress: 解剖学テキストの翻訳2006年02月04日 05:28

アントロポゾフィー医学的解剖学テキストの翻訳を進めることにした
Evidence-Based Imaging の翻訳に取りかかりたいのだが、そのためにはまずこちらを片付けてしまわねばならないのだ

目標はゴールデンウィークまでの約3ヶ月、短期決戦である

幸いにも以前に紹介した Louis Bolk Institute(http://www.louisbolk.nl/)からダウンロードできるファイルが件のテキストの全文(!)であることが判明
これとオンライン辞書があればもうこっちのものである

総論的な部分は後回しにして、第3章から始めてしまうことにする
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第3章 骨格に見られる形態学的な特徴

3.1 序論

多くの博物館には現存する、あるいは絶滅した動物の骨格が展示されている。教育を受けていようがいまいが、来館者は骨格を見るだけで「生物全体の形」(原文イタリック:以下同じ)をつかむことができるのである。骨格に秘められた表現力すなわち真の形状に対する関係性は大変強いものなので、古生物学においてさえ骨格は「生物全体の形態を代表する物」ととらえられている。古生物学では、発見された骨格ーあるいはその一部ーを用いて生物を再構築していく。こうした再構築は大いに信頼されているが、それは部分的な骨格が生物全体の巨視的な形態と関係を持っているからである。

ゆえに、骨格はすべての器官系の中でもユニークな位置を占めているのである。つまり、「骨格は生物全体の特異的な『形態』(原文ボールド:以下同じ)を最も特徴的に表現している」のである。

骨格は人間という生物の形態学を科学的に研究する上で最も頼りになる基礎を形作っている。このためにこそこのモジュールでは人間の骨格をまず研究するのである。